監督/矢口史靖

東京造形大学に入学後、1年先輩の鈴木卓爾に影響を受け、8ミリによる自主映画を撮り始める。1990年のぴあフィルムフェスティバルにて、8ミリ長編『雨女』がグランプリを受賞。PFFスカラシップを獲得し、16ミリ長編『裸足のピクニック』(1993年)で劇場監督デビュー。
フジテレビ、アルタミラピクチャーズと共に制作した『ウォーターボーイズ』(2001年)では、“男子シンクロナイズドスイミング部”というユニークな題材をもとにし、大ヒットを記録。第25回日本アカデミー賞には優秀脚本賞、優秀監督賞にノミネートされる。
同じくフジテレビ、アルタミラピクチャーズ作品である『スウィングガールズ』(2004年)も大ヒットし、第28回日本アカデミー賞では、最優秀脚本賞・最優秀音楽賞・最優秀録音賞・最優秀編集賞・話題賞等の5部門を受賞し、映画監督として地位を確立した。『ひみつの花園』のヒロインの守銭奴ぶり、『アドレナリンドライブ』の冷ややかな暴力性などの初期の危険な作風は影をひそめ、万人向けの娯楽映画を安心して任せられる監督となっている。
2008年には、『ハッピーフライト』が公開された。
映画作品には必ず「伊丹弥生」という役名のキャラクターが登場する。
月刊誌『東京人』に、神田神保町の古書店・矢口書店が実家であるとの「フィクション記事」が掲載されたことがあるため誤解されることがあるが、矢口書店とは無関係である。

主な作品

裸足のピクニック (1993年)
ひみつの花園 (1997年)
アドレナリンドライブ (1999年)
ウォーターボーイズ (2001年)
パルコ フィクション (2002年)※鈴木卓爾との共同監督によるオムニバス作品
スウィングガールズ (2004年)
歌謡曲だよ、人生は (2007年)※第9話「逢いたくて逢いたくて」脚本・監督
ハッピーフライト (2008年)